伝統文化を承継する

こんにちは。

インテリアコーディネーターの稲山聖子です。

昨日はお盆でしたね。

今年は珍しく県外のお盆と同時期でしたが、
沖縄は旧暦でやるので、毎年お盆の時期が変わります。
遅い年では9月になる時もあります。
しかも、お盆は3日間あって、

初日→ウンケイと言って、ご先祖様が帰ってくる日。
ご馳走を作って仏壇に供えてお出迎えします。
地域によって、どのような食事でもてなすかは違います。

 

2日目→ナカビと言って、ご先祖様滞在2日目。
3食ご飯を仏壇に供えてもてなしマス。
朝食付きのホテルよりリッチですね。

 

3日目→ウークイと言って、滞在最終日でお盆のメイン。
送り出すときは盛大に、親戚中集まって儀式を執り行います。
お重を広げてお供えし、ウチカビ(あの世で使えるお札)を燃やしお小遣い
として持たせてやります。

 

これが、沖縄のお盆の大まかな流れです。

沖縄では、この他にも4月頃に清明祭(シーミー)と呼ばれる
お墓でピクニック的な行事があって、親戚一同お墓に集まって、
お線香あげたり、お重やオードブルを広げて宴会します。

 

仏壇のある家の長男の嫁がいかに大変かは察しがつくと思います。
沖縄では、結婚の報告をすると
どんな人で、どこで知り合ったかなどの馴れ初めを聞かれるよりも、
真っ先に長男かどうかを聞かれます。

 

さて、そんな沖縄の2大行事の1つのお盆ですが、
最近ではだいぶ変わってきたな~と思います。

やはり、ここ沖縄でも少子化や核家族化の波はあって、
上の世代の人が『お迎えする側』から『お迎えされる側』になっていったのに、
新規参入が少ないので、親戚が集まっても人数が少なく寂しくなってきました。
(もちろん、今でも賑やかにされている大所帯のところもあるとは思いますが・・・)

また、私が小さい時は、きっちりと伝統行事用のお重ばかりでしたが、
最近は、オードブルやケンタッキー、ケーキなどデパ地下並みに
仏壇のまえに大集合で、どれから食べ始めようか迷う状況です。
(楽しみが増えて嬉しいことですが・・)
お重も手作りはほとんどなくなり、お店で買ってくるのが当たり前に
なっています。

 

ウークイで送りの際に述べる祝詞的なものも、
一番の年長者が長年取り仕切っていたので、引継ぎがうまくいかず、
今はなんとなく見様見真似でやっているだけなので、
10分くらいかかっていたものが、3分程度で終わってしまい、
儀式の静粛性や威厳が無くなってしまっている感じがします。

色々なものが合理化されて楽になったのは確かだけど、
なんか寂しいし、味気ないな・・と感じてしまうところもあります。

私の子供の世代や孫の世代では、もうこういう伝統行事はなくなって
いるのかもしれませんね。行事の進め方も分からないし・・
もしくは、ただ集まって酒を飲むだけの行事に
なっているのかもしれません。

 

新しいものもニーズがあって生まれてきているので、大切だと思いますが、
やはり、伝統行事や文化は大切にしたいなと思いました。

 

新しいものと古いものどちらかが排除される図式ではなく、
古いものもうまく承継されていくといいな・・・

よく言われる古いものと新しいものの『融合』ではなく、
新しいものの中できちんと残すべき伝統が厳格に残っている。
そんな在り方が素敵だなと思います。

新しい文化は、時代の変遷の中で必ず入ってきます。
だから、わざわざ融合させるのではなくて、
伝統は伝統として現存させていくことが自ずと
新しいものとの調和を図っていくのではないかと思います。

目まぐるしく入ってくる沢山の新しいものの中で、
ほんの少しの伝統を厳格に継承していくことは、
合理的ではなくても苦にはならない筈だと私個人は思います。

同じ文化や伝統を承継していくことで、自分の帰属する場所があり、
精神の拠り所になるのではないのでしょうか。
私は外国に行った時や違う文化圏で生活する時に、
この拠り所はとても大切だと実感しました。

 

私はSNSを取り入れるようになって、暑中見舞いのハガキや年賀状、
お礼状やバースデーカードをまったく送らなくなりました。
今年はもう一度、年賀状を見直してみようかなと思っています。

 

身近なところから、もう一度文化を承継していこうかな・・・

 

今日はおふざけなしの真面目なお話になりましたが、
皆さんもせっかくの素敵な文化をもっと身近なものにして、
次世代へと承継していきませんか?

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます!

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